January 15, 2008

流通経済大柏の本田監督は、高校サッカー界の改革派

高校選手権を制した流通経済大柏の本田監督は、高校サッカーの「改革派」らしい。

”現在全国的に行われているプリンスリーグの先駆けとなった「関東スーパーリーグ」創設に尽力。今の選手権にも苦言を呈する。「45分ハーフにして、リーグ戦方式を導入。試合も1日おきにしないと」”

”「うれしいのは全日本ユースのほう。あれは素晴らしい大会です」”

(日刊スポーツ1月15日紙面より)
決勝戦の試合後での淡々とした受け答えも、「改革派」としての意地の現れだろうか。

今やユース世代で優秀な選手は、クラブユースチームの方に行くケースも多く、ユースに行けなかった選手が高校のサッカー部に所属する、という時代。今年の選手権でも、Jリーグに行く選手がとても少ないのが印象的だ。

日テレの「青春感動路線」で、そこそこの観客動員がある現在の選手権。関係者にはあまり危機感はないようだが、どんどん地盤沈下が進んでいるように思えてならない。そんな中で、本田監督のような見識を持った指導者が高校サッカー界で頂点に立ったことは、頼もしい。もっともっと全国から「改革派」の指導者が出て実績をあげて高校サッカー界に改革の嵐を巻き起こして欲しいものだ。



サッカー人気ブログランキング

いつも当ブログを応援いただきありがとうございます!

  
Posted by mkonline at 23:25Comments(0)TrackBack(2)

August 16, 2007

個の力で優勝、静岡ユース

今年のSBSカップは、22年ぶりに静岡ユースが全勝優勝。対照的なのは、U-18代表が全敗最下位だったこと。今年の静岡ユースは、U-18代表候補経験者11人を擁して最強と言われていたが、なかなか個人技に優れた良いチームだった。

印象的だったのが、U-18代表との試合。静岡ユースの選手が、個人技でも走力でも、U-18代表を圧倒していた。スピードある長い距離のドリブル突破に、U-18代表の選手が振り切られる場面が何度もあった。特に、左サイドのウイング的なポジションに位置した静学の池川のドリブル突破は見事。ドリブル突破から中へ切れ込んでのゴールをはじめとして、何度もU-18DFを切り崩していた。久々にサッカー所、静岡の底力を感じさせてくれた。

個の力でU-18代表を圧倒していた静岡ユース。これに対して、U-18代表は個の力でも見劣りしたし、組織の連動性もない。選手の顔が見えないチーム。ウクライナの監督が、なんで地域のチームの方が代表より強いんだ、といったコメントをしていたが、まったくその通り。もっと個々のプレーに特徴がはっきりしていて、能力の高さを見せつけるくらいでないといけない。



サッカー人気ブログランキング

いつも当ブログを応援いただきありがとうございます!

  
Posted by mkonline at 08:31Comments(0)TrackBack(0)

January 09, 2007

隠れた逸材、作陽FW村井

絶好の優勝のチャンスを逃した静学の敗因を探ろうと、録画しておいた高校サッカー準々決勝の静学vs作陽の試合を見た。しかし、その試合で目についたのが、後半から途中出場した作陽のFW村井。昨年12月23日の練習試合で左膝靱帯損傷から復帰したばかりということで、まだまだ本来のプレーではないのだが、なかなか魅力的な選手だ。静学が敗れた大きな原因の一つは、後半からの村井の投入が上げられる。彼の投入で、作陽は攻撃の起点が出来てリズムを取り戻した。

村井は184cmという大柄ながら、実に足元のプレーが柔らかい。ポストプレーで相手DFを3~4人引き付けてから、決定的なパスやシュートが打てる。特にスピードがある訳でもなく、敏捷性に優れている訳でもないのだが、足の長さを上手に活かした懐の深いボールの持ち方が素晴らしい。鋭いというよりは、ゴムのような柔らかさで、相手を翻弄する。決勝戦での先制点のきっかけとなったシュートも、独特のターンで一気に相手DF数人をかわしてのもの。ロナウジーニョが好きで、試合でエラシコにトライするのも頷ける。

彼の魅力は、なんといっても、まだまだ伸びしろが一杯、ということ。良い指導者に巡り会えば、素晴らしい選手になれる可能性を秘めた逸材だと思う。東京Vなど複数のチームからオファーがあったということだが、それを断って関西学院大へ進学するという。伸び盛りの時に、プロへ行ってくれなかったのが、ちょっと残念。しかし、決勝戦で負けたことでプロへの意識が高まったようだ。

「大学ではフィジカルを強くしたい。そこで誘いが来たら行きたい」
(スポニチ1月9日紙面より)

作陽の村井、頭の片隅に覚えておきたいプレーヤーだ。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

  
Posted by mkonline at 23:23Comments(0)TrackBack(2)

January 02, 2007

静学の秘密兵器、”ドリブル小僧”小倉

井田監督自身が、全国制覇を狙うと公言する今年の静学。伝統のテクニックに加えて、今年は徹底した走り込みで鍛えたスタミナが売り物。選手権初戦の佐賀東戦も、今年の静学の特徴が良く出たゲームだった。前半から佐賀東の固い守りに苦しむ展開。さらに、後半6分には前線で奪われたボールを素早く展開されて先制点を奪われる。今までの静学だったら、このまま相手の術中にハマって0-1で初戦敗退という図式だっただろう。

井田監督自身は、「サッカーはテクニック」というポリシーにも関わらず、走り込みを徹底しているのは、試合最後まで動けなければ、せっかくのテクニックも宝の持ち腐れということだろう。だから、今年の静学は試合終盤になっても動きが落ちることがないのが特徴。相手は、静学を抑えるために徹底して守って来たりプレスをかけてきたりするが、試合終盤になって運動量が落ちると、静学のテクニックが本領を発揮してくる。だから、今年のチームは、後半が強い。

CKからのエース杉浦の見事なヘディングで追いついた静学だが、ポイントとなったのが勝ち越し点の立役者で後半から投入された2年生の小倉だ。ドリブラーの多い静学だが、ここ数年はなかなかトップクラスの中で際だつ選手がいなかった。しかし、小倉のドリブルは本物だ。久々に静学のドリブラーに恥じない魅せるドリブルをする。小柄なのだが、ボールタッチが本当に細かくて、一瞬相手にカットされそうになっても、またボールを取り戻す粘っこさももっている。ボールを持つと何かしてくれる予感を感じさせる選手だ。こういう選手を、リズムを変える切り札に使えるところも今年の静学の強みかもしれない。

”ドリブル小僧”小倉に注目だ。


サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら  
Posted by mkonline at 23:36Comments(0)TrackBack(0)

December 06, 2006

DFラインからグランダーでつなぐ意識

今年の野洲高校は、どんなサッカーをするのか大変興味があったのだが、なかなか観る機会がなかった。しかし、youtubeに滋賀県大会の野洲の試合のダイジェストがアップされているという。早速、yutubeにアクセスしてみた。準決勝の膳所戦、決勝の草津東戦を観ることが出来た。

野洲のサッカーは、今年も期待通り面白い。感心したのが、DFラインからしっかりとグランダーのパスで組み立ててくること。ダイジェストなのでなんとも言えないが、DFのクリアや放り込みがほとんどというか、まったくない。オシムが代表監督になって、”考えて走るサッカー”がトレンドになってきているが、野洲のサッカーは代表レベルより、よほど理想を実現しているように見える。ボールをキープしているプレーヤーをサポートする動きが素晴らしい。フリーランニングする距離も長い。単なる個人技サッカーではなく、連携が素晴らしい。

そうした個人と組織の融合の中で、ひと際光るのが乾貴士の突出したパフォーマンスだ。スピード溢れるドリブルからのスルーパスを連発。やはり高校生離れしているプレーヤーだ。

ただ、野洲にも死角がある。滋賀県大会、2回戦4-0、3回戦9-0、準々決勝9-1と大量得点で圧勝したものの、準決勝の膳所高校戦を1-0、決勝の草津東は延長で2-1と接戦の試合となった。準決勝、決勝とも、圧倒的にゲームを支配しながらも、相手の粘りに苦戦した。この戦いぶりを観ると、もし今年の静学が野洲と戦ったら、勝機があるのではと思わせる。何せ、今年の静学は運動量と粘りが信条。対戦が実現すれば、面白い試合になるだろう。

DFラインからしっかり組み立てる意識。高校サッカーだけでなく、Jリーグ、代表レベルでも、しっかり見習って欲しいものだ。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

  
Posted by mkonline at 22:35Comments(2)TrackBack(0)

November 19, 2006

静学、果たして全国で通用するか

静岡学園が、藤枝東を2-1で破って、4年ぶりの全国選手権の切符を手にした。今年の静学は、勝ちにこだわったチームだ。静学らしいテクニックというよりは、90分間走り負けない、ことに重きを置いたチーム。たしかに、運動量は豊富だが、このサッカーで全国で勝ち進めることができるか、となると疑問も残るところ。

かねがね「走るサッカー」への転換?に疑問を持っていたのだが、井田監督が以前テレビのインタビューで、

「昔のようにゆっくりパスを廻したりドリブルしているサッカーは、今では通用しない。パス廻しのスピードや動きのスピードの速いサッカーをしなければならない。とはいっても、テクニックがなければ話にならない」

といった趣旨の話をしていた。完全にパワーと運動量のサッカーに転換したのか、とちょっとがっかりしていただけに、一安心した。しかし、実際の試合を見ていると、勝つサッカー、にこだわるあまり、ボールをつなげる場面での、めくらクリアー、落ち着いていれば繋げるボールの精度が悪くパスミスになる、などのプレーが目につく。マイボールを大事にする意識があれば、繋げるボールをむやみに相手に渡してしまう場面が多い。これは、もうボールを大事にする意識の持ち方一つだ。

全国で互角に戦うには、走り負けては、話にならない、という認識なのだろう。しかし、このままでは、「そこそこ運動量もあるし、そこそこテクニックがある」中の上のチーム。全国レベルで、圧倒する力はない。試合に出るメンバーは、テクニックより運動量を重視した選考になっているのかもしれない。静学には、2軍3軍の方が真のテクニシャンがいるという話がある。それでも、たまに落ち着いてボールを廻す場面では、静学らしさも垣間みることが出来る。

テクニックの活かし方を意識して、マイボールを大事にするサッカーが出来れば、その鍛え上げた運動量が勝負所で生きてくるはず。ぜひ、野洲に負けない、「静学らしい」サッカーを見せて欲しいものだ。


サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

  
Posted by mkonline at 15:18Comments(4)TrackBack(2)

April 19, 2006

ラテンの香りを消すな! 静学

高円宮杯全日本ユース選手権出場権を懸けたプリンスリーグ東海2006.1部が開幕。6チームの2回戦総当たり、上位2チームが高円宮杯の出場権を得る。プリンスリーグ東海では、清水ユース、磐田ユースなどのクラブ勢が優勢。高校チームにとっては、今やエリート集団であるクラブ勢打倒が目標となっている。

今年の高校サッカーで野洲高校が個人技重視のサッカーで旋風を巻き起こしたのは記憶に新しいところ。ところが、元祖ラテンサッカーの雄、静学は、もはや個人技偏重カラーは完全に薄れているようだ。プリンスリーグでの打倒クラブを達成するために、今年の新人戦後に徹底的な走り込みを行ったのが象徴的だ。恒例の春休みの遠征もなし。その代わりに、50メートルダッシュ50本。山を1時間20分走るといった過激なメニューをこなしたらしい。柔らかい個人技をベースにしたサッカーから、パワーとスタミナのサッカーへのモデルチェンジを図っているのだろうか。

井田勝通監督のコメントをみても、

「エリートが集まるJには練習量で勝つしかない」(日刊スポーツ静岡版4/15紙面)
「今の時代、J優位なのは当たり前。でも高校でも優勝できることを証明したい」
(スポニチ静岡版4/15紙面)

という具合に、エリート集団打倒には、練習量、スタミナ、パワーで勝負という考えが見え隠れしないわけでもない。

また、

「向こう(Jリーグ)はエリートで練習環境もいい。自分らは学校の部活だけど朝練とか練習は負けないくらいやっている」といった選手のコメントもある。(スポニチ静岡版4/15紙面)

今や静学といえども、主力組の選手の中にはJクラブユースの試験に落ちてから静学入りを決めた選手がいるらしい。素質の良い選手は、Jクラブユース。その次のレベルの選手が、強豪の高校というのが、静岡の高校サッカー界の図式なのだろう。良い選手をクラブに取られて、残りの選手が複数の有力校に分散してしまう。これでは、冬の全国高校選手権で静岡代表の不振が続くのも当然だろう。

時代の流れとはいえ、あの井田監督が”50メートルダッシュ50本”に活路を見いだしているとすれば、少し寂しい気がする。もう、静学にラテンの香りを求めるのは、難しいのだろうか。個人技には、個人技で対抗して欲しいものだ。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

本日のサッカーブログランキング、ベスト50



EH P´A!ポルトガル―ダンナと息子と私のラテンなサッカーの日々


  
Posted by mkonline at 00:42Comments(11)TrackBack(1)

January 10, 2006

あらゆる局面で、相手の裏を取ることに長けた野洲のサッカー

* 野洲の魅力を凝縮した決勝ゴール

全国高校サッカー決勝、初優勝を飾った野洲のゴールは、まさに野洲の魅力を凝縮したゴールと言える。

延長後半7分のゴールの起点となったのが左のストッパー田中の低い弾道のライナー性のピンポイントのサイドチェンジのロングパス。これが見事に右サイドの乾に渡る。そして、乾は右サイドからゴールへ向かって中へ切れ込んで行く。このドリブルで相手DF陣を中央に引き付けておいてサイドのスペースを空ける。そこへ上がって来たMF平原に、ヒールパスでつなぐ。そしてさらに外のサイドを上がって来た中川へ繋ぐ。中川は、完全にフリーでダイレクトでゴール前へ折り返す。そのボールに逆サイドからフリーで詰めていた滝川がゴールへ押し込んだ。

まさに、ロングパスによるサイドチェンジ、ドリブル、ヒールパス、2列目からの飛び出し、さらに3列目からの飛び出し、ダイレクトの折り返し、というバラエティーに富んだ攻撃だ。単に、野洲がショートパスを繋ぐチームではないことをこの決勝点がよく物語っている。

* 相手の裏を取るプレーの連続が、生んだ決勝ゴール

このゴールにもう一つの野洲のサッカーの特徴が出ている。それは、あらゆるレベルのプレーにおいて、「常に相手の逆を取る」ということ。田中の逆サイドへの大きなサイドチェンジ、そして乾の中へ切れ込むドリブル。こういう下準備があってこそ、フリーで良い態勢で、サイドからの折り返しが出来るというものだ。

* テクニックが、体力の消耗を防ぐ

また、この決勝ゴールで見逃せないのが、90分ハーフを戦った後の延長後半のプレーにも関わらず、ゴール前にはゴールを決めた滝川の他にもう一人フリーでゴール前に詰めていたこと。フィジカルで劣ると言われた野洲だが、この時間帯でも勝負時という場面では、これだけの人数が前線に飛び出す余力を残していたということは特筆すべきだ。テクニックとインテリジェンスが、体力の消耗を十分に補えることを証明したと言えよう。

* 山本監督の鹿実の裏を取る見事な作戦

相手の裏を取るのは、選手たちのプレーだけではない。山本監督の采配も、まさに相手の裏を取っていた。試合開始早々の20分くらまでは、鹿実が野洲のショートパスの繋ぎをつぶしに激しいプレスで来ると読んだ山本監督は、敢えてロングボールを使って、FWの青木にどんどん裏を取らせた。これで鹿実のプレスは、完全に空回りしてしまった。そして、試合が落ち着いた20分以降になると持ち前のショートパスの繋ぎを見せ始めて、じっくり攻め始めたのはなかなか見事。野洲の先制点も、まさにこの20分を凌いだあとの23分に奪っている。

「他のチームは全部、鹿実の最初の20分の猛攻でやられていた」(野洲・中川)

* スタンディングで、ボールが奪える守備陣

野洲というと奔放な攻撃サッカーというイメージが強いが、守備もなかなか上手い。まずは、パスカットを狙う。パスカットが狙えなければ、相手に体を寄せて、スタンディングでボールを奪う。ボールを奪う技に長けているので、ほとんどスライディングタックルがない。パスミス、ドリブルなどの失敗があっても、すぐにボールを取り返せる。野洲のポゼッションサッカーを支えているのは、このボール奪取術と言えるかもしれない。

* テクニックも徹底的に鍛えれば、フィジカルサッカーに対抗できる

今大会の野洲のサッカーは、テクニック偏重でも、テクニックを徹底的に鍛え上げれば、この年代においては、フィジカル、スピードのサッカーに十分対抗できることを証明してくれた。短期間で結果を求めてしまう指導者は、どうしても即効性のあるフィジカル強化と前線放り込みサッカーに走ってしまいがちだ。また、テクニックを重視しようとしても、なかなか結果がでなかったりして、途中でフィジカル強化の誘惑に捕われてしまう。最近の静学などが、まさに悪いスパイラルに陥ってしまった例だろう。

野洲のようなスタイルは、どこの指導者も簡単に出来ることではないかもしれない。しかし、今回の大会で優勝という結果を示してくれたことは、テクニック重視したくても、そこまで踏み込めなかった指導者たちには、大きな希望となるだろう。この流れを確実なものにするためにも、野洲には、来年さらにレベルアップしたサッカーで連覇を果たして欲しい。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

本日のサッカーブログランキング、ベスト50

  
Posted by mkonline at 23:07Comments(4)TrackBack(1)

January 08, 2006

蹴り合いのない好ゲーム、野洲 vs 多々良学園

* 意図のあるプレーの連続の好ゲーム

高校サッカー準決勝の野洲 vs 多々良学園の試合は、両チームともスタイルは異なるものの、意図のあるプレーが連続する好ゲームだった。野洲を観たのはこれが初めてだったが、チーム全員にパスを繋ごうという意識が浸透していた。3バックで中盤を厚くして、ボールを持っているプレーヤーの近くに複数のプレーヤーが必ずサポートに入るから、面白いようにパスが回る。

* ショートパスだけでなく、ロングボールも織り交ぜる組み立て

また、単に短いパスを廻すだけでなく、細かいパスで相手を引き付けてからの大きなサイドチェンジ、縦へのFWを走らせるパス、そして時折魅せる長い距離のドリブル突破。そして、ペナルティーエリア付近でのヒールキックなども織り交ぜたワンツーによる崩し。この試合では、何度もあった決定的な場面にエースの青木が決められなかったのが残念だが、ラストパスまでの組み立ては大変見応えがあった。

* 多々良学園のゴールを目指す攻めも見応えあり

対する多々良学園も、野洲に劣らず好チームだった。前半こそ野洲の攻撃力を警戒したせいか、守りを重視して引き気味になっていたが、後半終盤の猛攻は見事だった。野洲のお株を奪うような、ペナルティーエリア内でのワンツーでの崩しなど、随所に技術の高さを魅せてくれた。特に、FWのダンのポストプレーを中心に、少ない人数でも相手の急所を突く鋭いスピードのあるカウンター攻撃は威力があった。

この試合が楽しめた大きな理由の一つが、苦し紛れのクリアやアバウトな前線へのロングボール放り込みが、ほとんど見られなかったことだ。ショートパスだけでなく、縦へのロングボールも必ず意図のあるボールだったのが素晴らしい。

* ボールをキープしようとする意識の強さ

野洲と多々良学園の違いといえば、「ボールをキープしようとする意識」だったかもしれない。おそらく、多々良学園でも野洲と同じような「ボールをつなぐ強い意志」があれば、同じようなサッカーができるだろう。もちろん、多々良学園もけしてマイボールを大事にしないサッカーではない。しかし、その徹底度では野洲が上だった。特に、印象的だったのが、後半ロスタイムの野洲の多々良学園サイドのコーナー付近でのボールキープ。高校サッカーで、あれだけ落ち着いたボールキープはなかなか見られない。山本監督の繋ぐサッカーが、いかにチームに浸透していたかを物語る場面だ。

* 静学井田監督は、野洲のサッカーをどう観るだろう

「ボールをキープしていれば相手の速い攻撃を受けることはない。選手には”80分間ずっとボールを持ち続けよう”と言っていた」という野洲の山本監督。山本監督は、大学時代はレスリング部。ケルン大学留学時代にサッカーの魅力にとりつかれたという。静学の井田監督からも指導法を学んだらしい。すっかり昔のカラーが薄れてしまった静学。井田監督は、野洲のサッカーを観てどう思うのだろう。

* 鹿実に勝ってこそ、真価を発揮

静学がセンセーショナルなデビューを飾った時と比べて、全国レベルも上がり、高校サッカーのフィジカル、スピードも遥かに向上した現在。技術とインテリジェンスを強調したサッカーで勝負できるチームを育てた野洲の山本監督の努力は、本当に評価できる。ただ、本当に「高校サッカーを変える」インパクトを与えるには、ぜひ次の決勝で鹿実を破って欲しい。あのフィジカル、スピード、強さのサッカーに対抗できてこそ、はじめて野洲の技術のサッカーが真価を発揮すると言えるだろう。決勝戦が楽しみだ。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

本日のサッカーブログランキング、ベスト50

  
Posted by mkonline at 18:15Comments(0)TrackBack(0)

January 05, 2006

魅せてくれた大津のポゼッションサッカー

* スタイルが均一化する高校サッカー

このところ高校サッカーは、全国的にレベルがあがりサッカーのスタイルの地域差がほとんどなくなった。サッカーのスタイルの均一化に伴い、どちらかというとスピードとフィジカル、運動量を強調した勝つためのサッカーが目立つ。独特のラテンスタイルで異彩を放っていた静岡学園も、「勝つサッカー」に対抗するあまりフィジカルを強調したために、逆にその特徴がなくなってしまった。

* ひさびさに、テクニック主体の楽しませるサッカー

もうテクニック主体の楽しませるサッカーをする高校は出てこないのかとあきらめていたが、熊本の大津高校のサッカーはひさびさに楽しめる美しいサッカーを見せてくれた。残念ながら三回戦で滝川二高の決定力の前に敗れてしまったが、最近の高校サッカーの中ではなかなか見事なポゼッションサッカーだった。

* リードされた試合終盤でも、DFラインから繋ぐ大津

印象的だったのが、2点のリードを奪われた試合終盤の戦い方だ。普通だったら、ロングボールをゴール前へ放り込むパワープレーにいくところだが、頑固にDFから短く繋ぐスタイルを続けていた。むやみやたらとゴール前に放り込むよりは、確実にゴールをしとめる攻めを組み立てようという意図が伝わって来た。あの時間、あの状況でもしっかり繋ごうとするのは、よほどポゼッションサッカーが各選手の体に染み付いている証拠だろう。

* 最近の静学なんかより、面白い

大津にとって痛かったのは、不意を突かれるように前半2分に滝川二高の森島に決められたこと。さらに、GK武田のキャッチングミスによる2失点目。相手の隙を見逃さずきっちりゴールに繋げるという部分では、滝川二高の方が試合巧者だった。しかし、風上に立った後半は、持ち前のパス廻しが冴えて、なかなか観るものを楽しませるサッカーを披露してくれた。最近の静岡学園なんかより、全然テクニカルで面白いサッカーだった。

大津のFW市原は、試合後、「大事なところで(シュート)をはずしたことが響いた。結果がすべて。いいサッカーをしただけじぇ意味がない」とコメント。今後は、”いいサッカーをして結果を出す”という大変難しい目標に向かって精進して欲しい。



サッカー人気ブログランキング

↑代表、Jリーグ、ワールドサッカーに関する最新情報はこちら

本日のサッカーブログランキング、ベスト50

  
Posted by mkonline at 00:21Comments(2)TrackBack(0)