July 28, 2007

セルヒオ・アグエロ

U-20ワールドカップは、はっきり言ってアジア大会なんかより全然面白かった。特に、アルゼンチンの美しくて強いスタイルに魅了された。

その話は、おいおいするとして、優勝したアルゼンチンのエースで得点王を取ったセルヒオ・アグエロだが、走り方というかボールの持ち方というか、あのマラドーナの若い頃になんとなく似ている。懐かしい感じがしたのは、私だけだろうか。大物の片鱗だ。


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December 20, 2006

日本人も捨てたもんじゃない!

* エラシコの考案者は、なんとあの人

ロナウジーニョの得意技の一つである”エラシコ”。アウトサイドでボールに触って外に出ると見せかけて、一瞬の内にインサイドで中へ切り返すフェイントであるというのは、ご承知の通り。”エラシコ”とは、ポルトガル語で「輪ゴム」という意味。

この”エラシコ”の考案者は、なんと”辛口解説”でおなじみのセルジオ越後氏。セルジオ越後氏は、コリンチャンズ時代あのリベリーノとポジション争いをしていたほどの、テクニシャン。”エラシコ”が有名になったのも、そのリベリーノがセルジオ越後の技をまねて、あのベッケンバウアーに尻もちをつかせたからだとか。

たしかに、現役時代のセルジオ氏、とはいっても藤和不動産時代のプレーだが、”エラシコ”をやっていたのを記憶している。セルジオ氏は、”逆エラシコ”もやっていた。インサイドで触った瞬間にアウトサイドに切り替えるというものだ。また、エラシコ、逆エラシコの連続技も軽々やっていたように思う。現役を引退した後のサッカー教室などでも、出っ張ったお腹を突き出して、エラシコ、逆エラシコを足先で軽々とやって子供たちを翻弄していたのも覚えている。

* ”ランプレッタ”の考案者も、日系ブラジル人

ちなみに、右足で左足の踵にボールを運び、背中の後ろからボールを浮かせて頭越しに相手を抜くフェイントがある。このフェイントは、狂ったハンカチ、あるいは”ランプレッタ”(イタリア製小型バイクの名前=高価で希少なものの象徴)という有名なフェイントだが、このフェイントの考案者もブラジルの日系人アレシャンドレ・デ・カルバーリョ・カネコという60年代にサントスでプレーしたプロサッカー選手。あのサッカーの王様ペレと一緒にプレーしていた伝説のプレーヤーだ。

このあたりの話は、「サッカー移民」―王国から来た伝道師たち 加部 究氏著
に詳しく書かれているので、ぜひ機会があれば読んで欲しい。日本人は、身体的にサッカーに向かないという議論もあるが、どうしてどうして環境さえ良ければ、ロナウジーニョにも負けないテクニシャンの遺伝子が花開く可能性もあるということ。日本人も捨てたもんんじゃない。

ちなみに、”エラシコ”のコツは、アウトにボールを出す時に自分の身体の重心はアウトに移さずに残しておくこと。これで相手のバランスが崩れた時に、瞬時に中へ切れ込める。


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December 18, 2006

続 ブラジルの底力

クラブ世界選手権決勝、バルサはインテルナシオナルの術中にまんまとハマって世界一のチャンスを逃した。世間では、この結果を番狂わせと思うかもしれないが、実際の試合内容を見ると、両チームのチーム力にそれほど差がなかったように思える。もちろん、インテルは激しいプレスからの速攻という常套手段で戦ったのは事実。

それでも、個々人の局地戦を見ると、バルサの選手と遜色のない五分、いやそれ以上のパフォーマンスを発揮していた。テクニック、戦術、フィジカルという様々な要素においても劣るところはない。1-0という結果だったが、ほとんどの時間を押し込まれて耐えて、耐えて、数少ないカウンターのチャンスを決めて守り切った、というパターンの試合ではない。

インテルナシオナルの10番、イアルレイのスピード溢れるドリブルとキープ力が特に印象に残った。ブラジルの選手は、本当に技の使い方、使いどころのTPOに優れている。相手に合わせて、無駄のない最適なプレーを選択するセンスが素晴らしい。バルサの弱点である最終ラインの裏を狙う攻めが、チームで意思統一されていた。ブラジル人ということであれば、バルサの主力もブラジル人。ただ、組織としてのまとまりは、この試合に限って言えばインテルナシオナルに軍配が上がる。

バルサで残念だったのが、美しいサッカーで相手を圧倒するだけの力が出せなかったこと。もちろん、ロナウジーニョのFKが1本でも決まっていれば、違った展開になっていたかもしれない。とは言うものの、最後はエトーの不在が痛い。しかし、この試合はインテルシオナルの出来の良さを評価するのが妥当だろう。バルサのお金持ちブラジル人の世界チャンピオンへのモチベーションより、貧乏で無名のブラジル人たちのハングリーさが、優った試合、という解釈も頭に浮かぶ。

それにしても、一人も代表選手がいないクラブでも堂々とした戦いぶりで世界チャンピオンになれるブラジルサッカーの層の厚さはすごい。ちょっと興味があるのは、インテルナシオナルが、チェルシーあたりと戦うと、どんな試合になるかということ。こういうことを考えると、岩本輝で話題作りしたオセアニア代表のオークランドシティーもよいけれど、欧州のクラブがもう1チームくらい参加していても良いのでは、と思ったりする。


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December 13, 2006

ブラジルの底力

クラブ世界選手権準決勝、ブラジルのインテルナシオナルとエジプトのアル・アハリ。派手さこそないが、なかなか見応えのある試合だった。エジプトのアル・アハリは、丁寧なボール廻しが好印象だったが、やはりメキシコのクラブアメリカなどと比べると技術の精度とアイデアに劣る。ラストパスの二つ手前くらいまでは良いのだが、最後のクロスの精度が低かったりするのは、アジアと同じ。それでも、Jリーグのクラブがアル・アハリに勝つことは難しいだろう。

17才のアレシャンドレ、19才のルイス・アドリアーノの2ゴールが、象徴するように、ブラジルは才能のある若い選手が次から次に出て来る。半端ではない選手層の厚さを、改めて実感する。アレシャンドレは、柔らかいボール扱い、美しいシュートを打つ技術、まだまだ伸びしろがいっぱい。ただ者ではない。後半、足がつって途中交代したが、これからフィジカルが強化されてきたらとても楽しみな選手だ。決勝ゴールを決めたアドリアーノの方は、チャンスをモノにしようとするギラギラとしたハングリーな眼差しが印象に残った。

ブラジルは、どんなクラブが出て来ても、格上の欧州のビッグクラブと互角の戦いを挑むことが出来る。その強さの源は、少しでも上のレベルでプレーしたいというハングリー精神とそれを支える高いテクニック、フィジカルの強さだ。試合の流れを読むセンスも伝統的に秀でている。だからコンディションの良くない場合でも、それなりの戦い方をしてゴールを奪う術を知っている。この試合であれば、相手のミスやセットプレー。悪いなりにしっかり決めるところを決めて、後はしっかり守って勝つ。

育てた選手を引き抜かれても、引き抜かれても、それなりのチームを仕上げることが出来るブラジルサッカーの裾野の広さと底力を垣間みられた試合だった。



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December 11, 2006

メキシコ人の美意識

クラブ世界選手権、メキシコのクラブアメリカは、なかなかメキシコ代表を彷彿させるメキシコらしいクラブだ。コパ・リベルタドーレスなどで、同じグアダラハラの試合を観ると、意外にメキシコらしくない。もっと泥臭くて激しい南米でもパラグアイのようなスタイルのサッカーをしているように見えた。もちろん戦う相手によってプレースタイルは変化するものだが、メキシコ代表のサッカーとクラブレベルのスタイルのギャップに、?マークだった。

しかし、今回のクラブアメリカは、メキシコ代表よりメキシコらしいサッカーをしてくれるのがうれしい。後半運動量が落ちて、アバウトなパスが出たりはしたが、基本的には、DFラインから、しっかりつないで来る。自陣ペナルティーエリア付近で、相手にプレッシャーを掛けられても、絶対苦し紛れのクリアはしないのが素晴らしい。技術の精度の差という話もあるが、やはりボールを大事につなぐ意識の差、が大きいと思う。子供の頃から、ボールを大事にする遺伝子が身体に染み付いているのだろう。

そういう意識が強いのは、メキシコ人がボールをつなぐサッカーを美しいと感じているからに違いない。サッカーは、ゴールを奪ってその得点を競う球技ではある。どんなゴールでも1点は1点。勝ちにこだわるサッカーもある。しかし、メキシコ人は勝つことより、美しくパス廻すことへのこだわりの方が強いくらいかもしれない。

”前からプレスをかけて、高い位置でボールを奪って、少ない手数でゴールを奪う攻め”

より

”相手が密集している狭いエリアで、相手の逆を取り巻くってつないだ10本のパス”

にサッカーの魅力と美しさ感じるのが、メキシコ人なのだろう。

それがメキシコの強みでもあり弱点でもある。全北現代戦でも、圧倒的にボールを支配しながらも、ゴール前での詰めを欠いて1点限り。ゴール前でも隙があればシュートするというより、完全に崩して攻めようとする。突出したストライカーが、なかなか出て来ないのも頷ける。クラブアメリカのトップも、アルゼンチンとパラグアイのFWというのが象徴的だ。皮肉にも、この二人はメキシコ流のパスサッカーのなかで異質で、良いアクセントになっている。

よく考えてみれば、完全に崩して後はゴールへ流し込むだけ、という攻めを狙えばシュートが下手でもゴールが奪える。決定力不足に悩む日本も、徹底的に相手を崩す攻撃ができるようになれば、ゴールが増えるのかもしれない。しかし、日本人自体は、”パスを廻して相手をいなす美しさ”や”ゴール前で相手を完全に崩す攻め”、などにあまり魅力を感じないのかもしれない。子供の頃からDFラインからボールをつなごうとして相手に奪われて、「つなごうとするな、前へ蹴っておけ」という指導者の罵声が出るようでは、なかなか美しいサッカーの実現は難しい。

面白いのは美しくつなぐサッカーには、周囲の的確なポジショニングと運動量が必要だということ。それもアバウトな長い距離のフリーランニングより、本当に数10cm単位の微妙なポジショニングの修正の連続だ。単純なスピードや距離より、タイミングとテンポの変化の方が重要。疲れてその修正に綻びが出ると、途端にパスが繋がらなくなるのも面白い。集団でボールをキープする技術に置いては、世界トップレベルのメキシコサッカー。次の対戦相手は、バルサ。どんな試合になるか楽しみだ。



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July 07, 2006

気の抜けたビールのようなブラジル

欧州でのワールドカップでは、南米は優勝できないというジンクスを破ることはできなかったブラジル。今やほとんどのブラジル代表の選手は、欧州でプレーしている現在、地理的なハンディは、もはやないはず。しかし、逆に欧州の選手にとっても、ブラジル代表のプレーヤーは、特別な存在ではない。プレーの癖も知り尽くした相手。

そうなるとブラジルというブランドの持つ威光も、和らいでしまう。それなのに、ブラジルの選手たちは、昔のようになかなかフルスロットルなプレーはしないのんびりムード。準々決勝のフランス戦でも、最後まで”本気のブラジル”のプレーは観ることができなかったような気がする。

パレイラ監督の采配にも疑問が残った。ロナウドに固執するにしても、ロナウジーニョとの2トップではなく、アドリアーノとの2トップにすべきだった。ロナウジーニョが、本来の位置にもどってから攻撃が活性化したのを見ても残念だ。後、唯一危機感を持ってプレーしていたエメルソンがいなかったのも痛い。エメルソンがいれば、アンリのゴールもあれほどフリーで打たせることはなかったかもしれない。

結局の今回のワールドカップでは、ついに”本気のブラジル”に出会うことは出来なかった。ずっと気の抜けたビールみたいなブラジルだった。フランスやイタリアが予選リーグでの不調ぶりから、徐々にチーム力を上げて、まるで別のチームのように変身しただけに、ブラジルが気の抜けた状態のままでドイツを去ったのは、本当に残念でならない。


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July 01, 2006

予期せぬGK交代で敗れたアルゼンチン

ワールドカップ準々決勝、PK戦の末にドイツに敗れたアルゼンチン。なんとっても、ペケルマンの計算を狂わせたのが、後半26分のGKアボンダンシエリの負傷退場。これで交代枠が3枚から2枚に減ってしまった。

後半4分にCKからアジャラの頭で先制したアルゼンチン。この1点を守ろうとしたのか、ペケルマンは、後半27分に攻撃の起点であるリケルメに代えてカンビアッソ。79分には、クレスポに代えてクルスを投入。しかし、思惑とは異なりドイツに後半35分にクローゼに決められて追いつかれてしまう。

しかし、アルゼンチンには、既に切るカードはない。アボンダンシエリが負傷退場しなければ、メッシ、サビオラなどの攻撃のカードを切ることができたはず。リケルメ、クレスポもピッチにいないアルゼンチンは、さすがにドイツのゴールを脅かすだけの力はなかった。

2枚のカードを守備的な目的で使ってしまったペケルマン。少なくとも1枚は、攻撃的な交代しても良かったと思う。ドイツの守備力と伝統の粘りが、ペケルマンに守備的な采配をふるわせてしまったと言えよう。やはり、予期せぬGKの負傷退場が痛かった。


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June 29, 2006

ブラジルに見るチームの”バランス”

ブラジルは、ガーナ戦、”らしくない”カウンターからの速攻で3ゴール奪って快勝。ボール支配率でも、ガーナ(52%)がブラジル(48%)を上回るというのも、ブラジルらしくない。しかし、これもガーナに効率良く勝つための、ブラジルの作戦通りだったのかもしれない。ブラジルのシュート11本の内、10本が枠内。これに対して、ガーナは、18本中7本。ブラジルの攻撃の効率の良さが際だった。攻撃陣が本調子でないからこそ、敢えて相手に攻めさせたところを、カウンターで狙うという作戦に出たのだろう。

ただ、こうしたサッカーに対しては、ブラジル国民は不満のようだ。これに対して、パレイラ監督は、

「なぜブラジルだけが美しいサッカーをしなくてはならにのか。ほかの国ではそんなことを言われないのに。きれいなサッカーをしても歴史には残らない。残るのは優勝したチームだけなんだ」

とは言うものの、やはりブラジルには美しいサッカーをして、かつ勝利という結果も求めてしまうもの。

今大会、ロナウジーニョ、ロナウド、カカー、アドリアーノという攻撃陣がまだまだ本領発揮とはいっていない。しかも、この4人は守備面では期待できない。さらに、4バックの両サイド、ロベルト・カルロス、カフーの二人も積極的に攻撃参加する。攻撃偏重で守備が甘くなりがちなところを、しっかりバランスを取って支えているのが、エメルソン、ゼ・ロベルトといったボランチの選手たち。華麗な攻撃陣に比べると好対照な、地味だが勤勉な汗かき人だ。守備に不安があると言われるブラジルだが、ボランチとセンターDFの4人で固める中央の守備は堅固そのものだ。

華麗なサッカーの代名詞ブラジルも、その攻撃陣が華やかになればなるほど、しっかり裏で支える汗かき人を配置して、バランスを取っている。今大会の日本代表には、こうした中盤の守備の”汗かき人”が欠けていた穴は、とても大きかった。中田英も奮闘していたものの、”本職”ではない。日本の中盤の選手は、同じタイプの選手が揃いすぎていた。一言でバランスといっても、いろいろなバランスがある。

* 攻撃が得意な選手、守備が得意が選手
* 足が速い選手、ヘディングが強い選手
* パスカットが巧い選手、タックルが巧い選手
* 読みに優れた頭の良い選手、運動量が多い選手
* ドリブルが得意な選手、パスが得意な選手
* 若い選手、経験豊かなベテラン選手

等々、挙げるとキリがない。

やはり、勝ち上がれるチームは、チームを構成するのに必要な様々なバランスが取れているチームだ。バランスが崩れた偏ったチームでは、安定した力は出せない。ガーナ戦、献身的に相手の攻撃を身体を張って防ぐエメルソンのプレーがとても印象的だった。ロナウジーニョを10人、フィールドに並べても、勝つことは出来ない。



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May 25, 2006

さすがのメキシコも、お尻に火がつくとロングボール

コパ・リベルタドーレスの準々決勝1stレグ、メキシコのグアダラハラは、ホームでアルゼンチンのベティスと対戦。主力の3人を代表合宿で欠くグアダラハラは、0-0で迎えた試合終盤には、DFラインから中盤省略で前線へロングボールの放り込みを見せる。GKもキャッチしたボールを、素早く前線へパントキック。

ホームでの初戦をなんとしても勝っておきたいというところだろう。ショートパスによるポゼッションサッカーのメキシコのクラブも、さすがにお尻に火がつくと、こうしたパワープレーが飛び出すようだ。

試合終盤になって慌てて、ロングボールによる速攻を仕掛けるくらいなら、のんびりボールを回していた前半に、もう少しロングボールを混ぜた速攻を交えた方が良いと思うのだが、それをやらないのがメキシコサッカーの良さだろう。

メキシコ、アルゼンチンのクラブチームの対戦。それぞれ、サッカースタイルのお国柄が反映されていて面白い。どちらかというと小柄な選手たちが、ショートパスで試合を組み立てるメキシコ。ブラジルの柔らかいボールの持ち方とは異質の、独特の細かいステップのボールタッチとドリブルが多いアルゼンチン。

多国籍軍団の戦いの場となった欧州CLと違って、それぞれの国のスタイルの違いを楽しめるのが、コパ・リベルタドーレスの魅力だ。



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めきめきメキシコ―情熱と暴走とチューのメキシコ旅行


  
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January 07, 2006

アルゼンチンのテベス、ブラジルでプレーしての南米年間最優秀選手

* コリンチャンズでプレーしてのMVP獲得が光る

少し古いニュースだがアルゼンチン代表でブラジルのコリンチャンズでプレーするFWテベスが2005年の南米最優秀選手に選出されたというのを最近知った。3年連続での受賞ということだけでもすごいが、今年はブラジルのコリンチャンズでプレーしながらの受賞というのが光る。ブラジル選手権では20ゴール上げてコリンチャンズの優勝に大きく貢献したのが評価されたようだ。

尚、MVPのテベスの他には、サンパウロの唯一の外国籍選手DFルガノ(54票)をはじめとして、DFシシーニョ(37票)、GKロジェリオ・セニ(31票)などの守備系の選手名前が続くのも面白い。

* テベスがブラジルサッカーにどう適合したのか

なかなか外国人がブラジル国内で活躍するのは難しいはず。その中で、これだけ短期間に適合して結果を出したところがテベスの能力の高さを物語っているのは確かだ。ライバル関係にあるアルゼンチンのプレーヤーの活躍にブラジルサッカー界の反応はどうなのだろう。興味のあるところだ。



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December 20, 2005

サンパウロFC、王国の意地

* 多国籍軍 vs 国産単独チーム

世界のサッカーの中心は、今や欧州。栄華を極めるUEFAチャンピオンズリーグこそが、事実上のクラブ世界一を決める大会と言っても過言ではない現在のサッカー界。代表チームレベルでは、ブラジルやアルゼンチンなどは世界トップレベルの実力を誇る。しかし、クラブレベルでは南米のクラブは、今や資金力を誇る欧州のビッグクラブへの選手供給源。

南米のクラブに残っている選手は、悪く言えば、まだ成長過程の若手、欧州クラブからは及びがかからない中堅、峠を越したベテラン。もちろん今回のサンパウロも、ウルグアイ出身のDFルガノの一人を除いて、全員ブラジル人。対する、欧州チャンピオンのリバプールは、完全な多国籍軍。来日選手22人中、イングランドの選手はわずか4人。決勝の先発メンバーの中では、DFのカラガー、MFジェラードの2人だけ。

* 南米サッカーのもう一つの顔を見せたサンパウロFC

欧州に優秀な選手を刈り取られて残ったメンバーで、世界中から集めたメンバーで構成された多国籍軍に対抗するブラジルのクラブ。しかし、勝利への執念は、並大抵のものではない。代表レベルでは、華麗な攻撃サッカーを見せるブラジル。しかし、実力的に劣勢な欧州ビッグクラブとの戦いでは、したたかに変身する。粘り強い守備で相手の攻撃を跳ね返し、数少ないチャンスを確実にしとめる。リードを奪えば、相手に攻めさせながら、しぶとく守って時間を使う。しっかりした個人技に裏打ちされた南米サッカーのもう一つの顔だ。

リバプールは、21本ものシュートを放って、特に後半は圧倒的に試合を支配したように見えた。しかし、私にはサンパウロがしたたかに、「リバプールに攻めさせた」というように見えてならない。

* ブラジルの底力を実感

近年、欧州リーグへの一極集中傾向が強まるなかで、なんとか欧州vs南米クラブ世界一というトヨタカップの図式を保って来れたのも、南米選手のプライドと勝利への執念があったからの他ならない。”クラブ世界選手権”という大会の火を消さなかったという意味で、真の単独チーム”サンパウロFC”が、リバプールを破って世界王者になった意味は大きい。

それにしても、あれだけ優秀な選手をどんどん世界各国に送り出しながら、尚自国に残る選手で構成されたクラブチームが世界一のタイトルを取れるというのは、本当にすごいことだ。さすが、世界レベルの代表チームが何チームも作れるブラジルならでは。サンパウロFCの勝利に、あらためてブラジルサッカーの奥深さを実感した。



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August 27, 2005

マラドーナ、ついに自白

* 神の手ゴールは故意

日経新聞8月25日朝刊紙面に、有名なマラドーナの「神の手ゴール」に関する面白い記事を発見。神の手ゴールといえば、1986年のワールドカップメキシコ大会準々決勝のアルゼンチンvsイングランド戦でのマラドーナの伝説のゴール。

当時から、あれは故意ではないか、という話が盛んにされていたが、ついにマラドーナは、自分が司会をするテレビ番組で「自白」した。

「初めて言うが、私はあのゴールを手でやった。手でしたかったのだ」

「頭では(ボールに)届かず、握り拳でやらざる得なかった」

 さらに、当時の相手GK(ピーター・シルトン)の名前を呼んだ後、

「眠ることができないよ!」

といたずらっぽくカメラを見つめて叫んだ、という。


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July 11, 2005

ブラジルサッカーの奥深さ

* ブラジル女性は、リフティング上手

スカパーの「Ola! セレソン密着!これが世界最強ブラジル代表だ」という番組は、なかなか見所が多かった。ロナウド、ロナウジーニョ、ホビーニョなどのスター選手の普段はなかなか見ることの出来ない素顔に迫る映像の数々。思わず引き込まれて見てしまった。

その中で、印象的だったのが、ブラジルの女性のボールリフティングの上手なこと。男性に混じっての浮き球でのボールさばき、さらに一人で真剣にリフティングしている女性の上手いこと。道を歩きながら、足だけでなく頭でボールを突いているシーンはとても印象的だった。ボールリフティングしている表情も真剣そのもの。男性顔負けだ。きっと、ボールテクニックに優れた女性がゴロゴロいるのだろう。

ブラジルサッカーの懐の深さの一部を垣間みた感じだ。日本も、普通の女性があれだけボールリフティングが上手になって初めて、本当の意味でブラジルと対等に戦えるのかもしれない。


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June 29, 2005

欧州サッカーから、走りをとったら何も残らない

ブラジルのパレイラ監督、決勝の相手がアルゼンチンと決まって、

「やはりタレントと器用さがあるチームが残った。欧州のサッカーは走るだけ。走りを取ったら何も残らない

と南米の実力を強調。(6月28日/日刊スポーツより)

たしかに、ブラジルvsドイツ戦。ドイツの前半の動きと連動したパスにによる攻撃は見事だったが、運動量が落ちた後半はその輝きを失ってしまった。パレイラ監督のコメントは、「欧州のトップリーグを支えているのは南米の選手たちだ」という自負の現れだろうか。

しかし、さすがに、これはちょっと言い過ぎ?


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June 28, 2005

国内組でも世界と戦える、メキシコ

* アルゼンチンの良さを消した、メキシコ

コンフェデレーションカップ準決勝、アルゼンチンと対戦して惜しくも敗れたメキシコの戦いぶりは本当に見事だった。アルゼンチンのペケルマン監督は、「ひどい試合だった」とコメントしている。しかし、私はアルゼンチンがひどい試合をしたというより、メキシコのサッカーが、アルゼンチンの良さを消したという方が正しいと思う。

* どんな相手でも自分のサッカーが出来る

この試合、メキシコのゆったりしたショートパスサッカーが、アルゼンチンのスピードと激しいボディコンタクトの前に通用するか、若干の不安があった。しかし、メキシコのサッカーは見事に通用した。どんな相手でも自分のペースで試合が出来るのがメキシコのすごいところだ。個人のテクニックの柔らかさでは、アルゼンチンの硬質なプレーより上回っているようにすら見えた。

* 決定力は、やや物足りない部分も

ただ、残念なのは決定力。ボルへッティーも大変素晴らしいストライカーだが、もう一人くらい違ったタイプの決定力のあるFWがいれば、もっと楽に試合が進められるはずだ。それと最後の崩しの場面で、簡単に中に放り込みが目立った。ラストパスの時点で、動きとパスにもう一工夫あると、ぐっと攻撃のバリエーションが広がるのではないだろうか。この点が改善されると、ワールドカップで決勝進出も夢ではないだろう。

*国内組でも、世界と戦える

アルゼンチン代表のほとんどが、海外組。メキシコは、スペインでプレーするマルケスとトレド以外は、全員国内組。何度も書いているが、フィジカルにも恵まれず、しかも国内組だけでブラジル、アルゼンチン相手にあれだけレベルの高いサッカーを出来るメキシコは、絶対に日本のお手本になるはず。日本の選手も海外でプレーすることを考えるのも良いが、Jリーグで高いレベルのプレーを見せることにも努力して欲しい。


* メキシコ vs ドイツも魅力的なカード

アルゼンチンにPK戦で、惜敗したメキシコだが、まだ3位決定戦が残っている。ブラジルvsアルゼンチンの決勝も興味深いカードだが、メキシコvsドイツの組み合わせもそれに劣らないほど魅力的なカードだ。メキシコの実力をさらに世界にアピールするためにも、ぜひモチベーション高く持って試合に臨んで欲しい。


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June 27, 2005

強さの永続性、ブラジル、アルゼンチン

* ブラジル、アルゼンチン、コンフェデ、ワールドユース共にベスト4以上

コンフェデとワールドユースの試合の放送予定を、良く間違えてしまう。両大会の出場チームが、だぶっているからだ。どちらのベスト4にも、ブラジルとアルゼンチンが残っているのが印象的だ。コンフェデとワールドユース、ともにベスト4以上に進出しているのがことが、ブラジル、アルゼンチンの強さの永続性を表している。

* ヨーロッパのトップリーグの繁栄が、若手の育成を阻害?

それに比べると、ヨーロッパに元気がないのが少し気になる。特に、ワールドユースでヨーロッパはベスト4を前してに全滅。ヨーロッパのトップリーグが、多国籍軍化して、その選手の供給源が南米やアフリカなどになってしまっている。そのため、自国の若手が育ってこないということの影響が顕著になってきているのではないだろうか。

すぐに結果が求められるため、自国の選手を育成するより、即戦力の戦力を外国から金で買う方に走ってしまう。それが、代表レベルの成績に反映していきているように思う。辛うじて、ドイツやオランダは自国の若手育成に力を入れている成果が出ているくらいだ。

* 日本が学べるところはないか

ブラジル、アルゼンチンは、選手をヨーロッパに取られても取られても、次々に新しい世代のスターが生まれてくる。だから、自国リーグも衰退することなく、強さを永続的に保つことが出来る。ブラジルの若手育成は、その環境も含めて凄すぎてちょっと真似が出来ないだろうが、アルゼンチンの若手育成などは、日本も参考にできる部分があるのではないだろうか。


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June 21, 2005

プレスとポゼッションの融合、メキシコ

* 伝統のパスサッカーにも変化

コンフェデレーションカップ、メキシコはブラジルを1-0で破り、準決勝進出を決めた。最近は、欧州のトップリーグなどでは代表レベルよりクラブレベルの試合の方が明らかにレベルが高い。なかなか最近は、代表チーム同士で面白い試合が少ないのだが、この試合は違う。テクニックとテクニックのぶつかり合い。お互いを知り尽くした中での攻防は、見応え十分だった。

私は、メキシコの徹底的に細かいパス廻しが大好きだ。たとえ点が入らなくても、針の穴を通すような細かいパス廻しを見ているだけで楽しめてしまうのだ。しかし、そんなクラシックで優雅なメキシコサッカーにも、最近はだいぶモダンサッカーの影響が垣間みられる。

* 守備は、中盤のプレッシング

なんといっても、相手にボールが渡っているときのプレスの掛け方が巧い。3バックで1トップ。中盤に6人を集めて、相手にスペースを与えない。その密集する中盤で、小柄だが、テクニックと持久力に優れた選手たちが、中盤でボールをキープしようとするブラジルの選手に数人で襲いかかる。まるで、大きくて強い一匹のスズメバチに、小さなミツバチの群れが一気に襲いかかるようだ。

そして、巧妙に相手の良さを消してボールを奪ってしまう。昔のメキシコは、こんなプレスは掛けなかった。もっと中盤はユルユルで、ゆったりと闘牛のマタドールのように優雅にボールを廻すのがメキシコの伝統的なスタイルだった。そうしたスタイルに近年は、プレッシングというモダンサッカーの要素が取り入れられたということだろう。

* ボールを奪えば、究極のポゼッションサッカー

ひとたびボールを相手から奪うと、メキシコの真骨頂。お家芸の細かいつなぎでボールをキープしながら、相手を崩していく。

普通、プレッシングを使うチームは、奪ったボールを素早く前線に送るサッカーをする場合が多い。足が速い、あるいはポストプレーが得意な、優れたFWがいれば、そうしたロングボールをキープすることも出来るだろう。しかし、そういうプレーヤーがいなければ、せっかくプレスを掛けて奪ったボールを簡単に相手に渡してしまうことになる。

しかし、メキシコは一度ボールを奪えば、自分たちのペースでボールをキープできる。けして、ロングボールで相手の簡単にボールを渡してしまう愚かなことはしない。

* ブラジル相手にオーレ!

メキシコの選手は、キープ力とパスの繋ぎに絶対の自信を持っている。本当に太々しいばかりだ。ただ、昔と違って時折、サイドの裏を付く鋭いロングボールも交えているのが、攻めのバリエーションとなっている。今回のチームでも、左サイドのモラレスへのサイドチェンジが攻撃のアクセントになっていた。

選手の身体的能力に頼らず、絶対の自信を持つテクニックをベースするメキシコサッカー。チームのスタイルに関して共通の意思統一ができているので、誰が試合に出ても、いつも同じスタイルでプレーが出来るのもすごい。

* アルゼンチンとの対戦も見たい

まさに、守備でのプレス、攻撃でのポゼッションが、メキシコ流にうまく融合した未来的なサッカーだ。

今回のチームは、メンタルな脆ささえ出なければ、決勝くらいまで進む可能性もあると思う。個人的には、アルゼンチンと対戦するメキシコもぜひ見てみたい。


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June 18, 2005

メキシコのパス廻しと日本のパス廻し、歴史の差

* メキシコのパス廻しに消耗

コンフェデレーションカップのメキシコ戦、日本は本来やらなければならないパス廻しをメキシコにやられて、消耗して動けなくなってしまった。アジア予選では、日本のパス廻しにバーレーンが消耗して動けなくなったのとまったく逆だ。日本のパス廻しが、通用するのはアジア止まり、ということだろう。

* メキシコのパス廻しは、横と縦のショートパスの組み合わせ

メキシコのパス廻しの特徴は、横パスと縦パスの組み合わせ。横にパスを廻したところで、縦にくさびを入れる。サイドにボールをつないで、空いた中につなぐ。といった、必ず横と縦のショートパスが組合わさっていた。日本の選手がキープしている選手に当たりにいけばいくほど、空いたスペースが出来る。日本の選手の鼻先を、あざ笑うかのようにパスを通すメキシコ。こうしたパス廻しが、体に染み付いている。

* 日本のパス廻しは、横と後ろ

これに対して、日本のパス廻しは、メキシコの守備陣の外側を廻しているだけ。縦への楔のパスが少ない。自陣に追い込まれるとロングボールをアバウトに蹴らされてしまう。日本で、縦へのくさびのパスを出す意識があったのは、中田英くらいだ。彼の鋭い縦パスだけが目立った。たとえ、ショートパスでも縦への楔のパスがないと前へ出ることが出来ない。

* ボールを持たない選手の動きの差

パスが回せない原因の一つとしては、ボールを持たない選手のポジショニング、動きがパスと連動していないことが大きい。常に、ボールをキープしている選手に、左右、縦とパスの選択肢を提供する動きが必要だ。メキシコのショートパスがつながるのは、ボールを持たない選手の動きがパスに連動しているからだ。だから、常に近くにパスを出せる選択肢が複数ある。

* 体に染み付いたメキシコのパス廻し

やはり、メキシコは国民的コンセンサスとして、こういうショートパスをつなぐサッカーを、何十年もやってきているのが大きい。選手の体にこうしたパス廻しの極意が身に付いている。メキシコ人は、みんなこういうサッカーが好きなのだ。ちなみに、メキシコ戦の後に、ブラジルvsギリシア戦を観たが、ブラジルのパス廻しは、メキシコのパス廻しにない、大きな緩急の変化がある。ブラジルのパス廻しは、メキシコより遥かにレベルが上だ。

* メキシコは、日本のお手本になるはず

メキシコは、身体的にも小柄で、それほどフィジカルに優れている訳ではない。今回のメキシコも、平均身長は176cm。メキシコの戦い方は、日本のお手本になるはず。ただ、メキシコのようなパス廻しを身につけるには、日本もユース年代から、こうしたパス廻しを徹底的にやる必要がある。ユース代表が、ロングボールを放り込んでいるようでは、いつまでたっても日本にあったパスでいなすサッカーなど出来そうにない。


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June 15, 2005

アルゼンチンサッカーの神髄、スーペルクラシコ

* 一気に引き込まれた「スーペルクラシコ」

「スーペルクラシコ」と呼ばれるダービーを超えたダービー、アルゼンチンリーグのボカvsリーベル戦をスカパー観戦。このところアルゼンチンリーグはご無沙汰していたんだが、その素晴らしい戦いに、思わず引き込まれて90分があっという間に過ぎてしまった。

* 半端でない気合いの入り方

アルゼンチンの名門クラブ、ボカとリーベルは、このところリーグでは低迷しているらしい。来年のリベルタドーレズの出場権獲得も危うい状況らしい。しかし、スーペルクラシコとなれば、そんな現在の低迷など吹き飛ばしてしまうくらい気合いが入るようだ。

* トップスピードの中での戦い

とにかく、スピードがすごい。走るスピード、ドリブルのスピード、パスのスピード。プレーの判断のスピード。球際の当たりもとても激しい。スプリンターのようなトップスピードでの体のぶつかり合いの中での、卓越したテクニック。これが、なんといってもアルゼンチンサッカーの特徴だ。

プレミアもスピードと激しさを売りにしているが、アルゼンチンリーグの方が、スピード、激しさは上のように思う。もちろん、そこでの細かい技術も上。プレミアリーグの試合が、のんびりして大味に見えてしまうくらいかもしれない。

* 極限の中で光る技術の素晴らしさ

バルサに代表されるスペインサッカーが、攻撃を中心とした優雅なエンターテイメントとすれば、アルゼンチンサッカーは切れ味鋭い刃物を使ってのファイトという感じだ。ストイックなスピードと激しさの極限の中でひと際光る技術の美しさ。これがアルゼンチンサッカーの神髄だ。

* 日本のサッカーが、スローモーションに見える

よく日本のサッカー選手は、サッカー選手ではなく、陸上競技の選手みたいに走ってばかりいる、と比喩されることがある。しかし、究極のアルゼンチンサッカーを見ると、日本選手の走りなんか、ジョギングレベルかもしれない。ましてや、アルゼンチンの選手並みのトップスピードでは、ボールを満足に扱うことも難しいだろう。ジーコが、日本代表の選手に、ゆっくりしたテンポで確実なパス廻しを要求するのも、日本人の技術に見合ったスピードというのを理解しているからだろう。

久々に真剣に観たアルゼンチンリーグに大満足。一生に一度、ボカのホームスタジアム「ボンボネーラ」で生観戦したいと思ってしまった。バルセロナの次は、ブエノスアイレス。サッカーの美しさの形も国によって様々だ。サッカーは奥が深い。



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February 25, 2005

ポルトには、ポルトガルの匂いがプンプン

* チェルシー、モーリーニョ穴熊戦法に幻滅

昨晩は、バルサ vs チェルシーとポルト vs インテルのCL2試合をテレビ観戦。バルサ vs チェルシーの試合は、チェルシーが最初から「穴熊戦法」をとったのが気に入らない。だいたい、チェルシーのShots on goalが0というのが試合内容を物語っている。モーリーニョらしい戦いぶりと言えばそれまでだが、いつもあんなにつまらない試合をしているのだろうか。

* マキシ・ロペス、気に入ったぜ

バルサの方も、チェルシーのカテナチオを破るのに汲々としていたが、それを打ち破ったのが途中交代のマキシ・ロペス。リバープレート出身の二十歳の若武者だ。188cmの長身に金髪の長髪にヘアバンドのスタイルは、ピッチでも異彩を放っていた。なにしろ、プレーの生きが良い。マキシ・ロペスは、17歳の時に父親が死去、同時に母親も失職。それ以来、一家の大黒柱だという。ライカールト監督も「実力は未知数」と語った新人FWが、1ゴール、1アシストとバルサの救世主となった。エトーとのツートップは、今後期待できそうだ。

* ポルトのポルトガル臭さの秘密は、外国人比率

いくらCLのサッカーが面白いからといって、一晩に2試合観るのはちょっときつい。それでも、ポルト vs インテルの試合は、それぞれがポルトガルらしさ、イタリアらしさが出ていたゲームだった。特に、ポルトのポゼッションサッカーは、ポルトガルの匂いがプンプンしてきて楽しい。バルサのパス廻しともちょっと違う。バルサよりはパススピードが遅いが、相手にパスカットされないぎりぎりのタイミングでボールをつなぐ感覚が絶妙だ。

ポルトにポルトガルの匂いがプンプンしているその理由は、先発メンバーの外国人比率が、他のCLリーグ決勝トーナメントに進出したクラブに比べてダントツに低いからだろう。ポルトは、CLリーグの”アスレチックビルバオ”だ。

ポルトの先発メンバーの中の、外国人3人

*CLリーグ決勝トーナメント出場16チームの先発メンバーの中の外国人数は、平均7人(最大は、アーセナルの11人)

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January 28, 2005

メキシコリーグは、Jリーグのお手本

メキシコサッカーは、内弁慶?

私は、メキシコサッカーが大好きだ。それほどフィジカルの恵まれない選手たちの、「これでもかこれでもか」というほどドリブルとショートパスを使ったサッカー。見ているだけで面白い。ゴールなんか決まらなくても、パス廻しを見ているだけでも楽しめる。

メキシコは、北中米カリブの強豪でワールドカップ本大会にも12回出場の常連だ。それほどの強豪でありながら、国外でプレーするメキシコ人プレーヤーは少ない。

80年代、レアル・マドリッドで活躍したウーゴ・サンチェス。現在では、バルサでプレーするマルケスが目立つ程度。海外でプレーする選手も、そのほとんどが言葉の問題がないスペインリーグ所属だ。

メキシコ人が、内弁慶なのかもしれないが、理由はそれだけではない。

待遇が良いから、国内から出たくない

国外のリーグでプレーするメキシコ人選手が、何故少ないのか、2002年のワールドカップの時に知り合いになったメキシコ人に尋ねたことがある。「給料が高いから、みんな海外に出ない」という返事が帰ってきたことを覚えている。

メキシコ人のサッカー熱は、すごい。国内リーグは、十分に盛り上がり、選手もサポーターからのレスペクトを感じるのだろう。自分たちの好きなスタイルにこだわって、楽しいサッカーができる。それをサポーターも喜ぶ。

そんな居心地の良いリーグから、海外に出ようと思う選手は少なくて当然だ。

中南米各国の選手にとっても魅力的なメキシコリーグ

メキシコ以外の中南米の選手にとっても、中南米で一番年俸の良いメキシコリーグは魅力的だ。欧州まで行かなくても、十分に稼げる。言葉の問題もない。当然、良い選手が集まる。試合のレベルがあがる、人気もあがる、という好循環となるのだろう。

Jリーグも、アジアの選手、サッカーファンにとっての憧れのリーグを目指せ

Jリーグもメキシコリーグをお手本にすべきだ。欧州や南米ばかりに目を向けず、アジア各国のトッププレーヤーがこぞってプレーするアジアのトップリーグを目指すべきだ。

韓国人プレーヤーは、もちろんのこと、中国、中東も含めて、アジアには安くて魅力的な選手がたくさんいる。こういう選手を発掘する努力もすべきではないだろうか。

Jリーグは、アジア各国選手、サッカーファンにとって魅力的な、憧れのトップリーグを目指すべきだ。もっと、アジアのマーケットに目を向けよう! メキシコサッカーには、今後も注目して行きたい。

歴代メキシコ代表のメンバーの中で、海外リーグでプレーする選手の推移

2002年ワールドカップメンバー

ラファエル・マルケス (モナコ/フランス)
ヘラルド・トラド  (セビージャ/スペイン)
クアウテモク・ブランコ (バジェドリー/スペイン)
フランシスコ・バレンシア (エスパニョール/スペイン)

2004年7月 コパ・アメリカ メンバー
ラファエル・マルケス (バルセロナ/スペイン)
ヘラルド・トラード (セビージャ/スペイン)

2004年9月 ワールドカップ予選メンバー
ラファエル・マルケス (バルセロナ/スペイン)

2005年1月 スウェーデンとの親善試合メンバー
ゼロ

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